- なぜカスタマーエクスペリエンスを意識するの?
- カスタマーエクスペリエンスの為に出来ることは?
- 普通に運営すればCXにつながるのでは?
コールセンターではこれまで、カスタマーサティスファクションを意識した満足度向上を目的として運営されていました。
しかし2000年代前半から「カスタマーサクセス」という新しい概念が提唱されてきています。
そこからゆっくりではあるものの、コールセンターでも企業のカスタマーサクセス実現の為、「カスタマーエクスペリエンス」の重要性が浸透。
今ではBPO事業を主としたコールセンター会社で「カスタマーエクスペリエンス(CX)」は当たり前のワードになってきています。
しかし、現場ではカスタマーエクスペリエンスを意識した運営が出来ているか、いまいち浸透していない印象です。
そこで今回は、
CX、CX言うけど、
なにをするの?
そもそも何でやるの?
具体的にどうやるの?
この辺をお伝えしていきたいと思います。
※カスタマーサクセスやカスタマーエクスペリエンスについては、別記事で意味や違いを解説しましたので参考にしてみてください。
- コールセンター暦15年以上
- 元外資系メーカー営業マン
- 受信/発信/講師/SV/Mgr経験
- 高度HSPの繊細さん
- 在宅コールセンター副業経験有
- コールセンターハック管理人
なぜやる?コールセンターでカスタマーエクスペリエンス(CX)
なぜカスタマーエクスペリエンスを意識した運営が必要なの?
人は物より体験に
心を動かされるからです。
そして感動したユーザーこそ
企業に収益を生む行動をします。
感情が動く体験 > 物理的なこと
今、私達の価値観として、物理的なものへの価値よりも体験そのものであったり、感情的なものへの価値の方が重要性が高まっています。
- 車は買うよりカーシェアで
- 音楽はCDよりストリーミングサービスで
- 映画はDVDより定額見放題のサービスで
企業側もサービスや機能面のスペックを向上させることよりも、「ユーザーにどんな体験をさせるか」を重要視しています。
その体験や感情面にフォーカスした取り組みが、カスタマーエクスペリエンス(CX)です。
そして、その先にカスタマーサクセス(CS)という、ユーザーの成功体験を目指す考えがあります。
CX(体験)の先にCS(成功)がある
感動する体験によって、
お客様の成功体験につなげる考えですね!
企業のサービスに対しての満足度調査の結果、単に満足しただけのユーザーは企業に収益を生む行動を起こさないことが研究の結果で分かっています。
一方、感情的に満足したユーザーのみが企業に収益性を生むことが分かっています。
そのために今、「CXによってCSを実現する」ということへの重要性が高まっているという背景があります。
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なにをする?コールセンターでカスタマーエクスペリエンス(CX)
ではカスタマーエクスペリエンスのために、何をすればいいんでしょうか?
顧客の行動を理解した
サービスの提供と
情報収集です。
では、一体コールセンターではCXの為に何ができるのでしょうか。
リピーターが約束されるほどの体験。それを支援できるコールセンターとは。
それは結論、ユーザーとの接点ということを活かして、いかにマーケティング機能を持てるかです。
そのために取り組むこととして、次の5つを説明していきます。
- 顧客層のライフスタイル把握と共有
- サービスへの評価を把握
- 感情分析結果をデータとして蓄積
- 受付チャネルの拡大
- 感動体験につながるニーズのキャッチアップ
1.顧客層のライフスタイル把握と共有
どんな生活をする
どんな感情をもった
ユーザーがいるか。
窓口全員が理解しておくこと!
どんなライフスタイルを持った、どんなユーザーに、自社のサービスや製品でどんな体験をするのか。
まずはここをオペレーター含めて、コールセンター全体が把握することが重要です。
- ペルソナの設定
- カスタマージャーニーマップの作成
上記を進めていく必要がありますが、具体的なところはこの記事の「どうやればいい?コールセンターでカスタマーエクスペリエンス(CX)」の章で解説します。
2.サービスへの評価を把握
現状の満足度を
正しく評価してもらいましょう
- 期待に対してどうかの顧客満足度調査
- リピーターになる可能性があるかのNPS調査
これを双方にバランスよく定期的に取れている必要があります。
特にNPS(ネットプロモータースコア)は、CXが向上しているかの指標として良く活用されます。
- ライフタイムバリュー(LTV)
- リテンションレート(定着率、継続率)
- アクティブユーザー数(MAU・WAU・DAU)
3.感情分析結果をデータとして蓄積
お問合せ時の
お客様の感情を
データとして蓄積しよう
AIによる感情分析が浸透してきていますが、未導入の現場でもお客様の感情を蓄積できる仕組みを持ちましょう。
自分たちのサービスの評価を正しく把握することに必要です。
また、感情分析によって、対応品質向上にも活かせます。
4.受付チャネルの拡大
お客様が電話を
かけようと思ってから
実際につながるまでの
体験を感動レベルに!
電話以外のチャットやFAQなど、マルチチャネルで利便性を高めることもCX向上につながります。
コールセンタージャパン 2020年9月号によると、コールセンターの親切丁寧な対応よりも、顧客がいかにエフォートレスで問合せができたか?でNPSが向上しています。
要するに「困ったときの連絡が容易である」ことがリピーターを作る一因になりえるという結果です。
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5.感動体験につながるニーズのキャッチアップ
オペレーターやSVが
ペルソナを理解していたら
ニーズ収集はやりやすくなります。
啓蒙性・依存性・感動体験がリピーターを作る鍵です。
「1.顧客層のライフスタイル把握と共有」でお伝えしたペルソナを、コールセンター従事者の全員が理解し、このお客様に何が必要か、このアンテナを貼り続ける必要があります。
どうやればいい?コールセンターでカスタマーエクスペリエンス(CX)
やるべきことは分かりました。
次は具体的にどうすればいいか教えてください!
はい!例にそって説明します。
ここまでカスタマーエクスペリエンスの為になにをすればいいのか、おおよそのことをお伝えしました。
次からはもう少し具体的に「どのようにやるか」を次の3つで解説していきます。
- 利用者のペルソナ設定
- カスタマージャーニーマップの活用
- NPS評価で現状把握
1.利用者のペルソナ設定
サービスを利用者の顔が浮かぶレベルまで、仮想のお客様像を設定します。
ペルソナとは以下にあるような、ユーザー視点を持つために必要な仮説立てです。
ペルソナの例
- 氏名、年齢、性別
- 学歴、職業、肩書き、年収
- 住んでいる場所、賃貸か持ち家か
- 既婚か未婚か、家族構成は
- 趣味、嗜好品
- 日課、利用しているSNS
例えば以下でペルソナ設定してみます。
どんな人がお客様になるのか
なんとなく想像できますね。
2.カスタマージャーニーマップの作成
設定したペルソナが
どんな行動で
どんな感情で
サービスとの接点を持つかマップにしましょう。
- カスタマー:顧客
- ジャーニー:旅
- マップ:地図
直訳すると「顧客の旅」という、カスタマージャーニーのマップを作成します。
マーケティングで使われているもので、カスタマーサクセスという言葉で勉強すると必ず登場するフレームワークです。
設定したペルソナのユーザーが、どこで商品を認知してどのような感情変化で商品購入にいたるかをマップにしたもの。
以下は私の独断で適当に作成した「リステリン」のカスタマージャーニーマップの例。
カスタマージャーニーマップの例
横軸に時系列で認知・情報収集・比較検討・購入を置いています。
縦軸は時系列ごとに起こる要素を並べます。
これで商品購入までの課題やアクションを明確になりました。
アクションの部分は上記の例よりも、コールセンターとして出来ることにフォーカスして設定しても良いと思います。
作成したカスタマージャーニーマップを共有しよう
管理者層だけではなく
オペレーターさんや
新人さんに教育に組み込むレベルで共有を!
上記で設定したペルソナやカスタマージャーニーマップを共有しましょう。
共有によって、コールセンター全体でユーザーに対しての共感力が強化されます。
コールセンターで対応するときに、
- どんな言葉をかけられるか
- 問題解決後になにが起こるか
- どんなチャネルが適切か
- どんなアップセルプランが喜ばれるか
など、受け身の姿勢から脱却することが出来るはず。
カスタマージャーニーマップを意識した改善提案
顧客を身近に感じることができれば、サービス改善提案は活発になるはず
製品の利便性や苦情解決の為の改善提案ではなく、もっと能動的に「顧客の感動体験」を意識した提案ができるようになります。
また、先ほど説明した「作成したカスタマージャーニーマップを共有」が徹底されていれば、オペレーターや管理者からも改善の声が上がることが期待できます。
3.NPS評価で現状把握
どのくらい満足?
ではなく、
どのくらい人に進めたい?
と聞く。
顧客満足度が高い企業でも倒産してしまうことがあります。
それは満足度調査において「満足」と回答したユーザーと「不満」と回答したユーザーの行動がほぼ変わらず、収益につながらないケースがあるからです。
「満足」の中には理論的に満足した場合と、感情的に満足している2つのタイプが分かれています。
そして、感情的に満足していないと、リピーターを生み出さないことが研究の結果でわかっています。
そこでNPSは、「このサービスを他の人に進める可能性はどれくらいありますか?」という質問で、0~10点で評価をして貰う方法です。
点数によって、以下のように利用者をカテゴリ分けします。
NPSの評価アンケート例
ただし、コールセンターは製品・サービスの一部の部門なので、全体としての評価として捉え辛い一面もあります。
そのため、スコアの理由まで答えて貰う工夫や、質問自体の範囲を絞るなどの工夫は必要です。
まとめ:コールセンターでのカスタマーエクスペリエンス
今回の記事のまとめです。
なぜCXが必要?
- 感情が動く体験 > 物理的なこと
- 満足というだけではリピーターは生まれない
- 感情的な満足が企業に収益をもたらす
なにをするの?
- 顧客層のライフスタイル把握と共有
- サービスへの評価を把握
- 感情分析結果をデータとして蓄積
- 受付チャネルの拡大
- 感動体験につながるニーズのキャッチアップ
具体的にどうやるの?
- 利用者のペルソナ設定
- カスタマージャーニーマップの活用
- NPS評価で現状把握
カスタマーサクセスやカスタマーエクスペリエンスは、マーケティング要素が強く、コールセンター従事者にはまだまだ浸透しきっていないイメージです。
一部の管理者には認識があっても、現場のオペレーターや研修トレーナーレベルにまで、CXが重要なんだ!という雰囲気がまだまだ足りません。
理由としては、具体的に何をすればいいのか、どうやってやるのか、どんな効果が生まれるのか、のイメージが出来ないからだと思っています。
現場の管理者が率先して勉強し、行動を起こせる仕組みまで作り上げることが必要です。
この記事がその助けに少しでもなれば嬉しいのと、まだまだしっかりとした知識を付けたいという方は、以下の参考書籍からも情報を得てください。
コールセンターでのカスタマーエクスペリエンスの理解にに役立つ本
このブログは私の経験×参考書籍をもとに作成しています。
最後に今回参考にした本を紹介します。
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カスタマーサクセス
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カスタマーサクセスとは何か
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