こんにちは!
今回は「コールセンターの応答率を上げる」。
次のような疑問を持つあなたに、
おすすめの記事になっています。
- 応答率が改善されずに困っている
- 具体的な施策を考えるのに苦労している
- そもそもどんなデータを取ればいいの?
コールセンター運営において、最重要とも言える目標のひとつに「応答率」があります。
顧客満足度にも直結するため、常に応答状況を監視して、先々の予測にヒリヒリしている管理者も多いのではないでしょうか。
私自身、10年以上管理者としてコールセンターで勤めてきて、日々改善施策に追われていました。
生産性を上げる、入電数を下げるためのFAQを作成する、欠勤率を下げるなどなど…。
この記事では応答率を上げるためにどのようなデータが必要で、どのような施策が必要かを徹底的に解説します。
最後までご覧いただければ、もうコールセンターの応答率低下による、改善施策の立案に悩まなくなるはずです。
- コールセンター暦15年以上
- 元外資系メーカー営業マン
- 受信/発信/講師/SV/Mgr経験
- 高度HSPの繊細さん
- 在宅コールセンター副業経験有
- コールセンターハック管理人
コールセンターの応答率改善は『入電を下げるか応答を上げるか』
来月は繁忙というだけあって応答率が厳しそうだね…。
ゆうたろうさん、何か対策はある?
それが…。
何が有効な施策かまだ決まっていなくて。
じゃあ一緒に考えていこうか。
まずは入電数と応答数のどちらに手を付けるか考えよう。
入電数と応答数…。
承知しました!
コールセンターの応答率は以下のように計算します。
【応答率の計算式】
応答率 = 応答数 ÷ 入電数
例えば入電数が『100』で、応答数が『50』だったとすると、応答率は『50.0%』です。
ちなみに応答できなかった呼を放棄呼といいますので、この場合の放棄呼は『50』となります。
もし入電数『60』で応答数『50』なら応答率『83.3%』。
そして入電数が『100』で応答数が『80』なら応答率『80.0%』となりますね。
そのため、応答率を改善するには、入電数を下げるか、応答数を上げるしかありません。
入電数を下げて応答率を改善させる対策【3選】
まずは入電数を減らす対策から!
はい!よろしくお願いします。
コールセンターにお問い合わせいただく数である『入電数』を下げて、応答率を改善する方法を紹介します。
具体的には次の3つです。
- FAQの充実
- IVRの導入・変更
- 製品やサービス自体の改善
上記はそれぞれ、コールリーズン(問合せがくる理由)とその量を集計しているからこそ可能な対策でもあります。
コールリーズンの集計については、以下のリンク先で詳しく紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
» 参考:コンタクトセンターのコールリーズン集計【活用法と集計例】
では、コールセンターの応答率を上げるために、入電数を減らす対策を見ていきましょう。
先ほどあげた3つを、それぞれ詳しく解説していきます。
1.FAQの充実
コールセンターへのお問合せの傾向が分析できていれば、よくあるご質問のパターンがわかるはずです。
申し込みから解約までの顧客ライフサイクルごとや、季節ごとによくいただくご質問を抽出し、企業のHP上にFAQを設置しましょう。
以下は『ニトリ』のHPに公開されているFAQページです。
現在は電話を架ける前に、まずネットで検索する時代です。
サービス利用者がネットリテラシーのあるユーザーであれば、ほとんどのお問合せをFAQで解決でき、電話をかけるアクションを取らずに済むでしょう。
他にはFAQ導入には以下のようなメリットがあります。
【FAQ導入のメリット】
- 電話でのお問合せが削減されて入電が減る
- 対応オペレーターがお問合せに対してFAQ誘導でき、通話時間短縮になる
- 電話する手間が省けることで顧客満足度も向上する
単に入電数が削減できるだけでなく、オペレーターの通話時間短縮や顧客満足度向上にもつながりますね。
ただし、FAQは常に更新が必要です。
コールセンター運営管理者やオペレーターの意見も反映して、最新の状態を保っておく必要があるでしょう。
また、FAQ内にチャットやAIボットの導入をしておくことで、さらに解決率は上がるはずです。
ググって解決するなら、わざわざ電話はかけないもんね。
2.IVRの導入・変更
IVRという自動音声応答装置をコールセンターに導入し、適切な設定を行えば応答率改善に役立ちます。
お客様からのお問合せを適切な窓口に自動音声で誘導できるので、無駄がなくなり限られたリソースで充分な電話対応が可能となるでしょう。
ただし、以下のようにお客様にとって分かりにくいIVRの設定になっていると、逆効果となる場合があります。
上記の例では、ガイダンスを聞いて1番をプッシュしたものの、実際は2番が担当するお問合せだったケースです。
以下のリンク先でも紹介していますが、お客様がお問合せされる内容を把握し、分類しておかなければ現場にも大きな負担になってしまいます。
最適なIVRを設定できると、応答率が上がりお客様にとっても利便性があがるので、CX(顧客の体験)の面でも効果が得られるはずです。
コールセンターにはおなじみのIVR。
応答率改善にも効果があるんですね。
3.製品やサービス自体の改善
コールセンターは、お客様にとってお困りごとや不明点があってお問合せが発生した時に、電話を架ける場所です。
そもそもお困りごとや不明点がなければ、お問合せをすることはありません。
日々コールセンターへ頂くお問合せの声を製品やサービスの改善に反映させることは、応答率を改善させることにつながります。
例えば以下のように、お問合せの分類と件数を集計してグラフ化すると、どこから改善の手を加えれば良いかはすぐに確認できるでしょう。
上記のグラフは『パレート図』という手法で作成したグラフです。
以下のリンク先でも詳細を解説していますが、どの問題から手を付けたらよいか分からないときに便利な分析方法なので、是非使ってみてください
» 参考:コールセンターの対策立案で失敗しない【パレート図分析】
お問合せが多いお困りごとや不明点が解消されるようなサービス作りができれば、コールセンターへの入ってくる電話も減り、応答率は上がっていくことでしょう。
ユーザー目線でのサービス作りができれば、お問合せの数も減りますね。
応答数をあげて応答率を改善させる対策【3選】
次は電話を取る数を増やして、応答率改善をさせる方法を紹介するよ!
はい!よろしくお願いします。
コールセンターで働くオペレーターさんが電話を取る『応答数』を上げて、応答率を改善する方法を紹介します。
具体的には次の3つです。
- 人員配置を最適化
- 生産性向上
- 稼働率と占有率の適正化
それぞれ詳しく解説していきます。
1.人員配置を最適化
人員配置を最適化すればコールセンター運営は安定し、応答率も向上します。
どのコールセンターにも少なからず繁忙と閑散の差はあるはずです。
その波に沿って、適切な人員が配置できていれば、入電を取りこぼさずに対応が可能になりますね。
以下のように時間や曜日、時期などを軸にしてシフトを作成し、最適な配置ができるよう努めましょう。
【人員配置を最適化する軸の例】
- 時間別の人員数
- 曜日別の人員数
- 季節や数か月単位の人員数
どの時間、曜日にどれだけの入電が入ってくるか『入電予測』を立てる必要があります。
以下リンク先ではその入電予測のたて方を紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
» 参考:【コールセンター入電予測】重回帰と指数曲線で業務量予測(sample有)
また、以下のような情報をそろえた上で、入電と応答予測を立てましょう。
【人員配置の計画に必要な数値】
- 生産性
- 稼働率
- 欠勤率
- 退職率 など
上記をもとに採用計画や研修スケジュールを盛り込めるとなお良いです。
このように、コールセンターの応答率改善には入電と応答計画を立てて、人員を適正に配置する必要があります。
予測と計画には普段のデータ取りが大切ですね。
2.生産性向上
オペレーターさんの生産性向上によっても応答率向上が図れます。
生産性が向上するとお客様への悩み解決までの時間が短縮され、1件の対応にかかる時間が短くなるため、一人が対応できる件数が増えます。
仮に一人のオペレーターさんが一日に2件応答できる件数が増えたとします。
そして、同じようにパフォーマンスの上がったオペレーターさんが10人いると、合計で20件多くの対応ができ、その分応答数が増えて応答率も上がる計算です。
具体的には以下のような指標を設けて、時間短縮できると良いでしょう。
【短縮したい指標・数値】
- AHTを短縮(通話に関わる全時間)
ACW・ATT・HOLDなどを短縮する - 発信数・発信時の通話に関わる時間を削減
AHTとはAverage Handling Timeの略で、電話対応にかかわる通話や処理関連の全てを含んだ時間を平均したものです。
詳しくは以下のリンク先で、ATTやACWと一緒に解説しているので、参考にしてください。
» 参考:AHT・ATT・ACW~コールセンター管理者入門~【区別と施策例】
では、実際にAHTや発信時間を削減するために、どのような施策はあるかは次をご確認ください。
【生産性向上のための施策例】
- 入力補助のテンプレート作成
- 分かりやすい回答集やトーク例をナレッジとして作成
- 知識補填をして自力での回答率を上げる
- 先輩や管理者からのプロセスモニタリングとフィードバック
- 高難易度案件は上級者へ転送・折り返しとする
- 入電の多い時間帯は一次受けのみとし、後から折り返し発信する など
生産性を向上させるためには、様々な視点で数値を分析して予測を立てる必要があります。
以下のリンク先でコールセンターにおける分析手法を10個まとめているので、あわせてチェックしてみてください。
» 参考:コールセンター分析手法を徹底図解!【具体例まとめ10選】
コールセンターの応答率改善と生産性向上は、切っても切り離せない関係です。
相関のある数値を発見する力、問題と課題を発見する力、施策を立案する力をフルで動員して、地道に成果が出るものなので、焦らずじっくり取り組みましょう。
施策実行には従業員を納得させられる、説明力とリーダーシップが必要ですね。
3.稼働率と占有率を適正化
コールセンターでは応答率の目標達成が重要ですが、それには稼働率と占有を正しく監視して適正な状態に保たれている必要があります。
それぞれコールセンターの健康的な運営がなされているかを可視化できる指標です。
正常な範囲であれば無駄がなく効率的な運営がされている証となり、従業員満足度も高く、応答率改善の土台となります。
稼働率について、具体的には次のような指標を言います。
稼働率とは…
- オペレーターが働く時間での顧客対応している時間の割合
- 稼働率=(通話+保留+後処理+待機)÷給与発生時間
- 稼働率の適正値は80~85%
占有率については、以下のような指標です。
占有率とは…
- 待機だけを除いた顧客対応にかかわる時間の割合
- 占有率=(通話+保留+後処理)÷(通話+保留+後処理+待機)
- 占有率の適正値は76~87%
それぞれ詳しくは以下のリンク先でも解説しているので、のぞいてみてください。
» 参考:コールセンターの稼働率と占有率【忙しさの見える化】
稼働率と占有率の安定が応答率改善に直結するわけではありませんが、これらを集計するメリットは次のようなものがあります。
稼働率と占有率を集計するメリット
- 人の余剰や入電に対しての稼働状況が見える
- 無理・無駄が可視化され、人員を適正配置できる
- シフティングの成功や失敗が分かる
- 研修実施可否の判断基準になる
このように、どこで人が不足してどこに余剰があったのか可視化できるため、コールセンターの応答率を改善させるために把握しておくべき大切な指標であることが分かります。
応答率が中々改善されないなら、稼働率や占有率を見るべし!ですね。
KPIの関係性に注意!バランスをとって健全なセンター運営を
応答率は必ずしも高ければいいものではないから注意だよ。
え?100%に近ければ近いほどいいのではないのですか?
そうなんだ。他のKPIとの関係性があるからね。
そのセンターが何を達成したいのかによるんだよ。
コールセンターに掲げられたKPIと応答率との関係性をしっかり把握しておきましょう。
応答率『だけ』を追いかけていると、以下のような問題に直面してしまうはずです。
【KPIの関係性例】
- 後処理を短縮し過ぎるとミス率が上がる
- 通話時間を短縮し過ぎると顧客満足度が下がる
- 稼働人数を増やすとコストが上がる
- 稼働率を上げ過ぎると欠勤や退職率が上がる
上記のような関係性を理解した上で、応答率への目標値と許容範囲を決めておくことをおすすめします。
一般的なコールセンターの応答率適正値は90%
通常コールセンターの応答率はベンチマークで90%が適正と言われています。
窓口の特性にもよりますが、どのセンターも90%台を目標としている所が多いですね。
また、コールセンターの応答率が90%を下回ると次のような状況になりがちです。
【応答率別のセンター状況例】
- 80%台で「電話が繋がりにくい」声が増え始める
- 70%台でオペレーターの疲弊・不満も増加
- 70%未満はもう業務が回っていない状態
上記以外にも応答率の低下が慢性的になってしまうと、フォローへの時間を作れずに、人間関係の悪化から退職と欠勤が多発するなど、様々な悪い状況が想定されます。
当然お客様の満足度も低下しますし、内部的にも問題が多く発生するので、応答率は90%以上を目指すセンターがほとんどです。
全ての電話を応答するには膨大なコストがかかりますもんね。
どうバランスをとるかは経営判断ということか…。
通販窓口や緊急的なコールセンターは応答率100%が目標
応答率は90%程度が適正値と紹介しましたが、中には100%を目標とするコールセンターもあります。
それは以下のような窓口です。
【応答率100%を目指したい窓口例】
- ロードサービスの事故受付
- 110番などの緊急窓口
- 通販受付などで機会損失を避けたい窓口
上記のように『架けたら必ず繋がる窓口』であるべきコールセンターは、限りなく応答率は100%近く取り切ることを目標としているはずです。
その分、稼働を上げるために人員を増やすなどして、それなりのコストをかけています。
通販CMでよく「受付人員増員中!」ってやってますね。
それだけ全部の電話を取ることに注力している窓口もあるのか。
なぜコールセンターの応答率を上げるのか?KGIから考えよう
コールセンターの応答率を何のために上げる必要があるのか、経営的な目線で把握しておきましょう。
応答率をKPIとしているセンターがほとんどだと思いますが、そのKPIの上位にあるKGIは意識できているでしょうか。
『KGI』とは
- Key Goal Indicatorの略
- 企業が目指す「売り上げ」「利益率」などの「重要目標達成指標」をいう
『KPI』とは
- Key Performance Indicatorsの略
- 企業全体というよりも組織が目指す「重要業績評価指標」をいう
会社としてはどれだけの売り上げや利益率を達成したいかなどのKGIが設定されています。
組織としては、そのKGIに寄与する為にKPIとして業績を評価できる指標を設定します。
そのため、応答率向上というKPI達成だけがKGI達成というわけではない場合もあるでしょう。
例えば以下のようなKGIを掲げている場合は、コールセンターの応答率を闇雲に高く上げる必要はないかもしれません。
【応答率改善が会社の目標達成にならない可能性のあるKGI例】
- 経費〇%を削減し利益率〇%改善させる
- まずは拡販を狙うため販売数200%の達成
- ノンボイス(チャットやメールなど)での解決率90%達成
企業として最重要で最優先としているKGIとは何かを理解していないと、目の前の応答率改善というKPIが本当に会社のためになるのか?
改善すべきであれば、どの程度でバランスを取れたらよいのか?
この辺を考えて、問題提起しつつ応答率改善の活動をするとよいでしょう。
常に経営者が求めていることにアンテナを立てていないといけませんね。
コールセンターでの応答率改善【施策の立案と分析方法4選】
なんとなく応答率のことが分かった気がします…。
でも、具体的にアクションに移せるかというとまだ自信ありません…。
OK!じゃあここからは、
応答率に関係するKPI改善に役立つ分析手法を紹介するよ。
コールセンターでの応答率を改善させるには、入電数を下げるか応答数を上げるかということを先述しました。
ここからの章ではより具体的に、問題点を探すための分析力や予測する力が身に付く手法を4つ紹介します。
1.相関関係を見て分析
2.パレート図で分析
3.ロジックツリーで分析
4.回帰分析で予測
それぞれ紹介していきますが、手法の紹介を当記事でしてしまうとかなり長くなってしまうので、簡単な説明と詳細は別記事のリンクを貼っています。
興味がある手法は是非別記事のリンク先もチェックしてみてください。
1.相関関係を見て分析
マーケティングなどでもよく使用される、相関をみて分析する手法です。
2つのデータの動きを見て、どの程度関係があるかを数値で表すことができます。
例えば『温度の高さとアイスの売り上げには相関がある』などは有名な例です。
メリットや具体的な手法については以下をご確認ください。
【相関関係を見て分析するメリット】
- どこを短縮・削減すれば応答率改善できるかが探せる
- 客観的な数字を根拠に施策効果を訴求できる
- データさえ揃っていればExcelですぐに計算できる
【相関関係について具体的な手法紹介記事リンク】
一件関連のなさそうなデータでも意外と相関が見られたりして、手を打つべき数値を探すのに役立ちます。
マネージャーや現場の管理者であれば、基本となるデータ分析方法なので、やり方や概要は知っておきたい手法ですね。
2.パレート図で分析
データの数量が多いもの順にならべた棒グラフと、構成比率がわかる折れ線グラフが複合されたもものがパレート図です。
パレート図では全体の構成割合をパッと見で把握できるのが最大のメリット。
どの問題から手を付けるかを判断するのに役立ちます。
具体的なメリットと図の作成手順はリンク先を参照してください。
【パレート図で分析するメリット】
- どこが一番の問題なのかが把握できる
- 問題の大きさや順位を把握できる
- ある問題が全体を占める割合がどの程度か把握できる
【パレート図の具体的な手法紹介記事リンク】
上記のように対策の優先順位を付けたいときに便利な図となっています。
少しExcelが操作できる人であれば、誰でも簡単に作成できるものなので、是非チャレンジしてみてください。
3.ロジックツリーで分析
ロジックツリーでは問題を階層化して、原因や対策を細かく分解しながら検討できる便利な分析方法です。
問題をロジックで支えることで、ロジックツリーと呼ばれています。
以下のようなメリットがあるので、是非使ってみてください。
【ロジックツリーで分析するメリット】
- 全体を把握できて漏れなく情報共有できる
- 問題を掘り下げることで具体的なアクションに気付ける
- 施策実行の根拠を論理的に訴求できる
【ロジックツリーの具体的な手法紹介記事リンク】
頭の中だけで悶々と悩んでいることを、このロジックツリーで分解しながら見ていくと、原因や対策まで意外と簡単に行きつくことができます。
ロジカルシンキングの基本でもあるので、これはビジネスマンとして必ず身に付けておきたい分析手法ですね。
4.回帰分析で予測
これから先の予測をする上で基本となる回帰分析。
複数の相関のあるデータをもとに、先々の予測値を計算することができる便利な方法です。
回帰分析というとかなり難しそうなイメージを持ってしまいますが、こちらもExcelを使えばそう難しいものではないので安心してください。
具体的なメリットや手順は以下を参照してみてくださいね。
【回帰分析で予測できること】
- 過去の実績知をもとに先々の入電数の予測
- 相関のあるデータから先々の応答数の予測
【回帰分析で具体的な予測手法紹介記事リンク】
上記リンク先では数式なども含めて、詳しく回帰分析について紹介しています。
細かい理論まで理解しておく必要はありませんが、使いこなせると他の管理者を圧倒できること間違いなし。
ビジネスシーンでも良く使われる予測方法なので、知っておいて損はないでしょう。
オペレーターさんの対応スキル教育【4選】
分析や施策が出来上がっても、教育に自信がありません…。
よし。じゃあ、オペレーターさんの
話し方などの要素ごとにコツを紹介していくよ。
コールセンターの応答率改善には、オペレーターさんのスキルアップも重要です。
通話時間や保留時間、対応が終了時の後処理などが短縮できれば、全体のパフォーマンスがあがり、応答数向上によって応答率があがります。
以下の要素ごとに対応のコツを掴んでもらえるよう、オペレーターさんをフォローしましょう。
- 話し方の上達でATTを短縮
- ヒアリング力の向上でATTを短縮
- 保留術を身に付けてHOLDを短縮
- エスカレーションのコツを掴んでATTとHOLDを短縮
具体的には参考記事リンクを貼っているので、そちらで確認いただきたいのですが、おおよその概要を次の章から解説していきます。
1.話し方の上達でATTを短縮
通話時間であるATTは、コールセンターでのパフォーマンスに大きくかかわる要素。
オペレーターさんの話し方を教育することでATT短縮が期待できます。
ATTが短縮されることで生産性向上が見込まれるので、当然応答率が上がりますね。
逆に話し方の拙いオペレーターさんばかりだと、以下のような問題が起きるでしょう。
【拙い話し方が招く問題】
- 同じ話を何度も繰り返してしまう
- 案内が伝わらずお客様から何度も質問を受けてしまう
- 上記が理由で通話時間が伸びてしまう
【話し方のコツ解説記事リンク】
分かりやすい案内はそれだけでお客様のお困りごとを早く解決させることができます。
詳しい内容は上記のリンク先で解説しているので、是非ご確認ください。
2.ヒアリング力の向上でATTを短縮
お客様のお話を正しく聴く力が備わっているオペレーターは平均通話時間が短いです。
その分パフォーマンスが高くなり、応答率改善に貢献してくれるでしょう。
コールセンターでのヒアリングというのは、ただ相手の話を聞いていればいいだけではありません。
積極的に状況に仮説を立てながら、問題点と状況を把握する力が求められます。
ヒアリング不足で招く問題と、具体的な手法は以下を参照してください。
上記リンク先では、基礎的なヒアリング術から高度な手法まで徹底的に解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
3.保留術を身に付けてHOLDを短縮
保留時間と回数が少ないと、顧客満足度は高くなり、応答数向上にもつながります。
質問のたびに「確認しますので」と言われて保留されてしまってはお客様もイライラしますし、その分、処理時間全体のATTも超過してしまいます。
オペレーターさんの生産性向上で応答率改善を目指すなら、以下の問題を取り除き、適切な保留術を身に付けて貰いましょう。
【間違った保留が招く問題】
- 何度も保留にしてしまい保留時間超過
- 保留前後に不満を抱かれてクレーム化
【保留のコツ解説記事リンク】
応答率改善のためでもありますが、そもそも保留は少なければ少ないほど良いです。
ミス率とのバランスもありますが、基本的にお客様は早く解決してほしいと思っているので、保留はをれを遮る行為になってしまいがちです。
その保留の時間をいかに安心して過ごしていただけるかについて、上記リンク先でも解説しているので、是非ご覧ください。
4.エスカレーションのコツを掴んでATTとHOLDを短縮
オペレーターさんが対応中に不明点があった場合、管理者や別担当へ質問することをエスカレーションと言います。
保留中や一旦折り返しとしてこのエスカレーションが発生するため、ここが要領を得ないと全体の処理時間に悪い影響を与えてしまいます。
さらにミスが起こりやすいポイントでもあるため、もし誤ったエスカレーションでクレーム化してしまうと大きく生産性が低下していまうことになるでしょう。
【的を得ないエスカレーションが招く問題】
- 保留中に長い質疑応答となり保留時間超過
- 間違ったエスカによって誤案内が発生し、クレーム化
【エスカのコツ解説記事リンク】
上記はエスカレーションする側のオペレーターさんのコツをまとめていますが、受ける側のコツは以下でも詳しくまとめています。
» 参考:【コールセンターのエスカレーション】良い指示とダメな指示
あわせてチェックしてみてください。
【基本】コールセンターの応答率改善のために集計したいデータ
分析や教育をしたくても、そもそもどんなデータが揃っていればいいんでしょうか?
じゃあ、応答率改善に欠かせないデータを紹介するよ。
コールセンターの応答率を上げたい、改善させたいという場合、データ集計は欠かせません。
オペレーターさん達のパフォーマンス集計はもちろん、入電の推移の把握も必要ですし、なぜ問合せが入ってくるのかといった理由を突き止めたり、収集したい情報は多くあります。
この記事でおすすめするのは、次の6つのデータ集計です。
- オペレーターのAHT
- オペレーターの一次回答率
- オペレーターの自力回答率
- 月・週・日・時間別の入電数と応答数
- コールリーズン
- 稼働率と占有率
それぞれ詳しく解説していきます。
1.オペレーターのAHT(ATT・ACW・HOLD)
オペレーターさんのパフォーマンス集計は必須だよ。
具体的にはどんなものがありますか?
AHT・ATT・ACW・HOLDは最低限把握しておきたいね。
前線で活躍するオペレーターさんたちの生産性、パフォーマンス状況は必ず把握しておきましょう。
その中でも以下のデータは必ず揃えたいところです。
▼AHT
- Average Handling Timeの略
- 1つの電話対応に関わる通話や処理時間の平均
上記のAHTは分析の基本的な基となるデータなので、集計は必須。
また、AHTは電話対応で発生する時間の全ての時間になっているので、より解像度を上げてデータ集計するなら、以下のデータも収集できるとよいでしょう。
▼ATT
- Average Talk Timeの略
- 電話で通話している時間の平均
▼ACW
- After Call Workの略
- 通話が終わった後の処理や作業時間
▼HOLD
- 通話中の保留時間
- 保留回数を母数にして平均値でよくみられる
通話の中のどこで超過が発生しているのか、問題点を発見するには上記のデータが必要になってきます。
以下のリンク先でもこれらの情報の意味などを解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
» 参考:AHT・ATT・ACW~コールセンター管理者入門~【区別と施策例】
AHTを集計できるコールセンターシステム例
上記で紹介したAHTやACWなどのデータは、コールセンターシステム導入によって簡単に集計ができます。
コールセンターシステムとは、以下のようにパソコンで電話対応ができたり、運営管理に必要なレポーティング機能が備わっているシステムです。
【コールセンターシステムで出来ること】
- パソコンと電話の連携
- 通話記録や音声データ録音機能
- IVR設定や自動応答機能
- 通話時間などのパフォーマンス集計など
多くの機能が搭載されていますが、いずれも応答率集計に役立つものばかりです。
各社が様々なコールセンターシステムを展開していますが、一部を例に紹介すると以下の4つが代表的なシステムですね。
システム名 | 特徴 | リンク |
---|---|---|
Avaya OneCloud CCaaS | 顧客の感情分析対応 全てのチャネルにAI対応など | Avaya社HPリンク |
Amazon Connect | Salesforceなどのソフトウェアと連携可 低コストで短期間にシステム構築可など | Amazon社HPリンク |
BIZTELコールセンター | PBXの設置不要 コールセンター必須の機能を標準装備 5年連続導入実績No.1 | BIZTEL HPリンク |
Call Connect | 固定電話扶養のブラウザ電話システム 初期費用0円で3つの料金プランあり | Call Connectリンク |
コールセンターに勤めたことがある人なら、一度は目にしたことがあるシステムかも知れません。
パソコン上で電話を受けたり架けたり、転送したりなど、オペレーターさんの立場からも便利なシステムなので、どの会社でも何かしらのコールセンターシステムを導入しているはずです。
2.オペレーターの一次回答率
折り返しになった案件の割合を把握しておくといいね。
折り返しの数も集計しないといけないってことですね。
でも、なぜ把握できていると良いのでしょうか?
一旦折り返しになると、回答を調べる時間、電話を架ける時間が余分に発生するからね。
たしかに。
1つの案件にかかる時間が無くなりますね。
応答率と相関が高そうなデータってことか。
電話を受けたオペレーターさんがその通話内で回答出来ればよいのですが、即答できず一旦折り返しになることがあると思います。
その場合、折り返しにした案件は他部署や管理者への質問や、自分で回答を探す時間が発生します。
そうなるとAHTが超過するため、パフォーマンス低下の大きな要因となってしまうでしょう。
応答率低下要因の根拠を示せるよう、以下の計算で一次回答率を出せる体制を作っておくと良いです。
【一次回答率の計算方法】
折り返しせずに回答した案件数÷案件総数
コールセンターシステムで何かしらのフラグを立てることで、集計が可能となるはずなので、ぜひ現場で活用してみてください。
施策のデータ集計は以下でも簡単に紹介しているので、参考までにご覧ください。
3.オペレーターの自力回答率
オペレーターさん一人の力だけで回答できたかも、集計しておきたいね。
自力で回答できたかったことですね。
しかし、なぜそこまでの情報が必要なんでしょうか?
通話中に他者を頼ったということは、その分AHTが超過しているはず。
保留時間や通話時間に関わってくるね。
なるほど。
AHT超過と自力回答率も相関がありそうということか。
コールセンターには多くのお問合せが日々入ってきます。
特に新人の頃には、自分一人で案件を解決できる力はほとんどなく、先輩や現場の管理者を頼りながらの回答になるでしょう。
自分で回答できない案件が多ければ多いほど、通話時間や保留時間が長くなり、AHTが長くなってしまうことで応答率に影響が出てしまいます。
以下の計算式で自力回答率を算出できるよう、管理体制を整えておくことをおすすめします。
【自力回答率の計算方法】
他者へ質問せずに回答した案件数÷案件総数
こちらも一次回答率と同様にコールセンターシステムで顧客対応記録を残す際、フラグを立てるなどで運用できるはずです。
この辺のことを以下のリンク先でも簡単に触れていますので、あわせてチェックしてみてください。
4.月・週・日・時間別の入電数と応答数
入電数と応答数は色んな軸で捉えておきたいね。
軸というと?
どのような意味ですか?
期間をどう区切るかで見え方が変わるよ。
月別・日別・時間別などでね。
繁忙と閑散を時間軸を変えて把握するってことですね。
コールセンターでの応答数や入電数を把握するのは当然ですが、期間を様々な切り口で区切ってみることで問題が明らかになります。
以下のように期間ごとに数値化していくことで、分析が容易になり問題点を発見しやすくなるでしょう。
【期間ごとの数値の分析例】
- 月別:一年を通して繁忙と閑散時期を見る
- 週別:一週間を通して曜日ごとの閑散を見る
- 日別:月末や月初など日ごとの閑散を見る
- 時間別:朝・昼・夜など時間ごとの閑散を見る
また、入電数や応答数は人別やチーム別でまとめてみると、さらに問題や課題を発見できるかも知れませんね。
そして、データをみるときの注意としては『度数分布で見る』ということです。
度数分布とは以下のような任意の範囲に分割して、それぞれの範囲内に存在するデータの数量をまとめたグラフや表を言います。
上記のように時間帯ごとでデータ数量を区切っていれば、何時台に入電が多く、何時台に入電が少ないのかがパッと見で判断できます。
この逆で度数分布を使わず、積み上げ式でデータを集計してしまうと、以下のような表とグラフが出来上がってしまうので注意しましょう。
上記のグラフでは、入電が右肩上がりに積みあがっていくだけなので、繁忙や閑散を見極めるのに適しません。
ここで紹介した度数分布は以下のリンク先でも別途解説をしているので、さらに詳しく調べたい方は参考にしてみてください。
» 参考:コールセンターのデータ分析・ばらつきを数字で語る【度数分布編】
5.コールリーズン
コールリーズンとその量は必ず把握しておきたい、貴重なデータだね。
コールリーズンって、お客様がお問合せされた理由ですよね。
どうして応答率改善にも影響するのでしょうか?
コールリーズンと量が分かれば、施策の方向性を決定するのに役立つね。
なるほど。
どの案件、どのお問合せの施策をうつか検討できるわけですね!
コールリーズンとはお客様が「電話をした理由」です。
ユーザーがなぜ問合せしなければならなかったのか、その理由と量を集計しておくことは、コールセンター運営の基本中の基本です。
以下のようなことが検討できるので、コールリーズンの集計は必ず行いましょう。
【コールリーズン集計で検討できること】
- どのお問合せのFAQを作成すれば入電を減らせるか
- どのお問合せのAHTが長いのか、なぜ長いのか
- 何の案件で教育をすれば全体のパフォーマンスが上がるのか
- 新商品ではどの困りごとを解決すれば入電が減るか
似たような言葉でVOC(Voice Of Customer)がありますが、コールリーズンとは異なるものです。
詳しい解説は以下のリンク先で記事公開しています。
» 参考:コンタクトセンターのコールリーズン集計【活用法と集計例】
あわせてチェックしてみてください。
6.稼働率と占有率
センターの稼働状況を把握していると、応答率改善に役立つよ。
稼働状況というと、休憩とか対応時間の割合ですよね。
応答率と相関があるものでしょうか。
応答率が低下しているときに、
稼働が高すぎたり低すぎると問題と課題がすぐに見えてくるよ。
応答率が低いのに稼働が低いと無駄がありそう。
逆に高すぎると明らかに人員不足と結論付けられそうですね!
コールセンターのオペレーターさんの稼働状況を把握していると、応答率低下要因の発見に役立ちます。
稼働率と占有率については先述しましたが、これらが適正値でないということは、コールセンターの運営や管理体制自体に問題があることが分かるでしょう。
具体的には以下のようなことを発見できるはずです。
【稼働率と占有率集計で分かること】
- 人手不足などの配置要因かが分かる
- 研修やフォローの過不足が分かる
- スキルのマルチ化などで負荷分散すべきか判断できる
- 従業員にストレスがかかり過ぎていないかが数値で分かる
この稼働率と占有率は計算式や意味合いがそれぞれ分かり辛いので、理解するまで少し時間がかかるかも知れません。
以下のリンク先で徹底的に詳しく画像付きで解説しているので、理解したい人は是非チェックしてみてください。
» 参考:コールセンターの稼働率と占有率【忙しさの見える化】
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» 参考:【7日間無料】flier(フライヤー)は今おすすめ!お試しキャンペーン有
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» 参考:Udemyをおすすめ出来る理由【動画学習という近道】
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