- 教育やフォローのバランス
- 人員不足や余剰が無いか
- 窓口の健康状態がわかる
ゆうたろうさん!
最近、電話が多くて
忙しくないですか?
あと私だけ研修時間少ない気もするんですけど。
確かに最近忙しいね。
研修は公平にしてたつもりだけど…
ごめんね、少し確認してみるよ。
コールセンターの窓口全体で、またはオペレーターさん個人別で、どれくらいの忙しいのか?を計測できるのが「稼働率と占有率」です。
稼働率と占有率を管理することで、
- 教育不足が無いか
- シフト管理の失敗は無いか
- タイムマネジメントが徹底されているか
などをはかることができます。
それでは冒頭のオペ美さんとのやり取りを例に、まずは個人別、そして最後の方では窓口全体で稼働も占有も見て行きましょう。
- コールセンター暦15年以上
- 元外資系メーカー営業マン
- 受信/発信/講師/SV/Mgr経験
- 高度HSPの繊細さん
- 在宅コールセンター副業経験有
- コールセンターハック管理人
コールセンターの稼働率とは「顧客対応時間の割合」
確認してみるといったものの
どうやって調べよう…
ゆうたろうさん、
それなら稼働率を出してみよう!
コールセンターでの稼働率とは、給与が発生する時間のうち、顧客対応している時間の割合です。
研修時間や小休憩時間など、顧客対応をしていない時間が多いと稼働率は下がります。
稼働率ってどうやって計算する?
稼働率は
次のように計算しよう!
稼働率 =
(通話+保留+後処理+待機)
÷ 給与支払い時間
稼働率の適正値は80~85%
稼働率の目標はおおよそ80~85%をラインにしている所が多いです。
また世界のハイパフォーマンスベンチマークは86%(COPC CX規格調べ)という情報もあります。
適正値イメージ
稼働率の「高すぎ・低すぎ」が起こす問題
コールセンターの稼働率は、適正範囲に収めることが目標になってきます。
高すぎても低すぎても良い状態とは言えません。
高すぎると知識・情報不足の要因に
研修やその他の時間が不足。
以下の状態が心配されます。
- 教育不足
- 情報共有不足
- ストレスやミスの増加
低すぎると無駄の多い現場に
顧客対応時間が少ない。
以下が心配される状況です。
- 業務に関係ない無駄な作業
- 人の余剰
- サボりの監視不足
オペ美さんは
稼働率が高すぎるのかも…
コールセンターの占有率とは「待機を除いた顧客対応割合」
稼働率が分かれば
研修時間の割合を出せそう!
ゆうたろうさん、
一緒に占有率も出してみよう!
オペ美さん、待機時間も短いかも
占有率とは、待機を含めた顧客対応にかかわる時間のうち、待機だけを除いた時間の割合です。
少し分かりにくいので言葉を変えて説明すると、、、
待機時間が長いと占有率は下がり、
待機時間が短いと占有率は上がります。
占有率ってどうやって計算する?
占有率は
次のように計算しよう!
占有率=
(通話+保留+後処理)
÷ (通話+保留+後処理+待機)
占有率の適正値は76~87%
コールセンターの占有率は、76~87%が適正範囲です。
この数値はかることで、オペレーターさんのストレスや疲労度をチェックすることができます。
適正値のイメージ
占有率の「高すぎ・低すぎ」が起こす問題
オペレーターさん達のモチベーションや、応対品質の維持のため、占有率は適正値になるよう常に配慮しましょう。
長期的に占有率が適正値から外れていると、以下のような問題が発生してしまいます。
高すぎるとストレスとミスの上昇要因に
待機の時間がほとんどない状態。
電話を取り続けているので以下が心配。
- ストレスの増加
- ミスの発生率上昇
- 人員不足
- 顧客満足度の低下
低すぎると無駄の多い現場に
待機の時間が長すぎる状態。
以下が心配されます。
- 人員の余剰
- シフト管理の失敗 など
オペ美さんは
占有率も高いのかな…
コールセンターの稼働率・占有率:ケーススタディ
じゃあ
稼働率と占有率
二つとも出してみよう!
はい!
これで忙しさが均等か
分かりますね!
計算例
冒頭のオペ美さんのケースで、コールセンターの稼働率と占有率を出したとして、仮に以下のような状態だったとします。
※AvayaCMSなどからレポート出力されたものから計算している前提です
計算したあとの解釈例
オペ美さんの稼働率97.8%、占有率92.8%!
わざと極端にした数値なので、本来あり得ませんが、オペ美さん・・・・。
管理が甘かった…
待機もなく研修もなく、出勤したらずっと顧客対応しっぱなしのようです。
ちなみにAさんについては待機時間が長く、占有率は低いです。
これは例えばシフト上、閑散時間帯に就業しているなどが理由になってきそうです。
また、新人DさんとEさんはトレーニング時間が長いため、稼働率が低いですね。
オペ美さんごめん!!!
指摘の通り、かなり負担をかけてたみたい・・・。
シフト時間の調整と、研修フォローしっかりとっていくね。
でしょー!
お願いしますね!
コールセンター運営に必要な分析方法を図解でまとめました。
これで数字に強い管理者間違いなし!です。
全体の稼働率・占有率を適正に保つには
ここから窓口全体で
適正値を目指す方法を考えていこう!
バランスの取れた
窓口を目指したいですね。
コールセンターの稼働率と占有率の高い低いを、マトリクスにして問題点を見て行きましょう。
<適正範囲>
・稼働率80%~85%
・占有率76%~87%
画像の通り4パターン分類したので、それぞれ解説します。
- 稼働率が高く、占有率が低い
- 稼働率が高く、占有率も高い
- 稼働率が低く、占有率が高い
- 稼働率が低く、占有率も低い
問題点が分かりやすくなるように、高すぎず低すぎず適正範囲のケースは今回除外します。
1.稼働率が高く、占有率が低い場合の対策
高い稼働で低い占有率。
もったいない時間が多い現場だね。
もっと稼働を下げて
研修とか面談できそうですね。
稼働が長いわりに待機時間ばかりで、オペレーターからすれば暇で苦痛に感じる人もでる状態。
高稼働率・低占有率の問題点
- 人の余剰、シフティングの失敗
- 研修や育成計画不足
対策の例
上記問題解決のため、①②の対策を検討しましょう。
入電状況とオペレーター配置がマッチしていない可能性があります。
過去の傾向から入電予測を立てましょう。
月別・週別・時間別まで予測値があるのが望ましいです。
» 参考:【コールセンター入電予測】重回帰と指数曲線で業務量予測(sample有)
この予測に基づいてシフティング、人員配置を改めて計画し直しが必要な状態です。
もっと稼働率を下げて研修や面談などに力を入れましょう。
パフォーマンスや勤怠が向上すれば、さらに利益率UPも見込めます。
研修ネタはこちら▼
2.稼働率も占有率も高い場合の対策
稼働も占有も高い…。
忙しすぎる現場だね。
ストレスフルで
現場の雰囲気悪そう…。
出来るだけ稼働させているにもかかわらず、待機時間が少なく、常に電話対応に追われています。
高稼働率・高占有率の問題点
- 想定以上の入電数・業務量
- パフォーマンスが低すぎる
- 高い離職率・欠勤率
入電数という外的要因と、パフォーマンスや人員不足という内部的要因が考えられます。
対策の例
改善させるには以下①②③のことが必要です。
過去の傾向から先々の入電予測を立てましょう。
出来れば月別・週別・時間別まで予測値があるのが望ましいです。
» 参考:【コールセンター入電予測】重回帰と指数曲線で業務量予測(sample有)
そして、その予測に基づいてオペレーターの人員配置を、改めて計画し直しましょう。
また、コールリーズン集計によってお問い合わせを減らす施策も、必須になってきます。
オペレーター各員のAHTが向上しない原因を突き止め、早急に対策を打ちましょう。
個人の問題か、仕組み上の問題か、内容によって正しい施策は変わります。
コールセンターの離職原因で上位を占めるのは職場の人間関係です。
SVとオペレーターの関係は良好でしょうか?
オペレーター同士の衝突はないでしょうか?
時間をかけて、地味に思えるようなことをコツコツと積み上げて、やっと職場の人間関係は良好になります。
3.稼働率が低く、占有率は高い場合の対策
低稼働なのに高い占有率。
現場の監視・マネジメント不足だね。
特別な理由がなければ。
稼働を上げるべきですね。
稼働中の人にしわ寄せが起こっている状態です。
突発で致し方ない研修や面談で、短期的にであれば問題ありませんが、数か月にわたってこの状態が続いていたら要注意。
低稼働率・高占有率の問題点
- ステータス管理不足
- 人員配置・シフティングの失敗
対策の例
問題解消のために、①②③を参考にしてください。
システムで誰がどのステータスか、リアルタイムで分かる状態にしておきましょう。
また、入電状況もリアルタイムで監視できるようにしておきます。
監視用のシステムを起動の上、現場のSVやLDなどの管理者で常に目に留まるように。
また、ステータスごとの閾値を設定し、管理者間で閾値ごとの動きを明確にしていきましょう。
必要人数に対し、若干不足気味の状態でシフト組されている可能性があります。
入電予測を月別・週別・時間別まで立てて、人員配置を計画しなおしましょう。
オペレーターのAHTをもう少し短縮できないか、施策を検討しましょう。
個人の問題か、仕組み上の問題か、内容によって正しい施策は変わります。
4.稼働率も占有率も低い場合の対策
稼働も占有率も低い。
だいぶ暇な現場だね。
確かにそうですね。
このままだと
規模縮小が見えてます。
稼働から抜いて研修や施策を打っているのに、残った人員でも待機が長く余剰をおこしています。
一時的な閑散期ではない場合、窓口の規模縮小は確定路線。
低稼働率・低占有率の問題点
- 想定以下の入電数・業務量
- パフォーマンスが計画より好調
- 離職・欠勤が計画より好調
働いている人からすれば、良い現場にうつるかも知れませんが、経営側としては無駄が多いと言わざるを得ません。
対策の例
①②③をそれぞれ検討しましょう。
別業務から一部スキルを移管し、複数のスキルで対応するマルチ化を検討しましょう。
または、管理業務の一部をオペレーターにまわすなどして、生産活動にあてられるようタスク整理を。
想定より生産性がオーバースペックになっているようであれば、品質面に力を入れましょう。
満足度の向上につながるような施策を募り、どんどん取り入れてPDCAサイクルを回します。
コールセンターの稼働率・占有率の参考書籍とサイト
コールセンターマネジメント―COPC‐2000規格による品質とパフォーマンスの継続的改善
コールセンタージャパン・ドットコム KPIで現状把握しよう
» 参考:コールセンターの業界紙は電子版で読め!【定期購読不要で読める】
BIZTELブログ 稼働率はコールセンターの健康状態を知るバロメーター
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» 参考:Udemyをおすすめ出来る理由【動画学習という近道】
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